7冊目の単著紹介
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書名:『ダーウィン入門〜現代進化学への展望〜』
著者:斎藤成也
発行日:科学紀元11年(キリスト教歴2011年)3月10日
出版社:筑摩書房 ちくま新書
ISBN9784480065971
定価:780円+税
筑摩書房のウェブによる本書の紹介
本書の構成
- はじめに ..... 009
- 第1章 ダーウィンとその時代 ..... 013
- 第2章 ダーウィン以前の生物学 ..... 037
- 第3章 ダーウィンの進化論 ..... 061
- 第4章 ダーウィンが研究した他の分野 ..... 111
- 第5章 ダーウィンの世界観 ..... 131
- 第6章 ダーウィニズムの変転 ..... 151
- 第7章 淘汰論から中立論へ ..... 171
- 第8章 現代生物学におけるダーウィン ..... 191
- 付 録 生物進化学に関する基礎概念の解説 ..... 217
- あとがき ..... 233
- 参考文献 ..... ix-xvii
- 索引 ..... i-viii
本書に誤りを見つけられた方は、著者にご連絡いただければ幸いです。
=====コメントと訂正=====
- 11年10月25日:108頁
スマトラ島とボルネオ島のオランウータンが500万年ほど前に遺伝的に分化したと書きましたが、今年1月27日に出版されたオランウータンのゲノムについての論文 (Nature vol. 469, pp. 529-533)には、両者の分岐が40万年と推定されています。私が書いたのは、ミトコンドリアDNAの配列比較に基づくものです。核DNAと異なり、かつて存在していた近縁種からのintrogressionがどちらかのオランウータンに生じたのかもしれません。
- 11年10月25日:121頁
ウツボカズラを日本国内(福井県鯖江市)で見つけたという記述をしましたが、塚谷裕一教授(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻)から、この植物は東南アジアにしか生息しないというご指摘を受けました。ただ、誰かが日本国内で育てた可能性もあると考え、とりあえず小学校時代の筆者の記憶を尊重しておきます。
- 11年10月25日:159頁
メンデルが彼の論文をダーウィンに送付しなかったと書きましたが、根井正利教授(米国ペンシルバニア州立大学生物学科)およびDan Graur教授(米国ヒューストン大学)から、メンデルはダーウィンに自身の論文を送ったことがわかっているという指摘を受けました。ただ、まだ著書などで確認しておりませんので、よく調べてみます。
- 11年10月25日:159頁
根井正利のもとに留学した分子進化学分野の日本人研究者には、ほかにも新村芳人(東京医科歯科大学)、伊藤剛(農業生物資源研究所)、三沢計治(理化学研究所)、野澤昌文(基礎生物学研究所)らがいます。
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更新日=科学紀元11年10月25日
(c)2011 斎藤成也