国立遺伝学研究所・研究集会
DNAから見た日本列島人の地域的多様性を生み出した要因をさぐる
日時: 14年12月21日(土)午後1時〜午後6時 および 12月21日(日)午前10時〜午後4時半
場所:遺伝研(国立遺伝学研究所)講堂
遺伝研へのアクセス
講堂は遺伝研の航空写真のD棟です。
使用言語:日本語
参加費:無料(どなたでもご参加いただけます)
本研究集会の目的
近年急速に進展しつつあるヒトゲノム内のDNA個体差の研究は、人類集団の古い遺伝子交流の層を掘り起こしつつあります。日本列島への古い移住の層(旧石器時代から縄文時代にかけてと考えられる)と新しい移住の層(弥生時代以降と考えられる)の違いは、斎藤成也・徳永勝士・尾本惠市らが2012年に発表したヤポネシア3集団(アイヌ人、本土人、琉球人)のDNA多型を解析した論文で明らかにしました。また、東北地方人の独自性は理化学研究所が2008年に発表した論文で示されています。さらに、現在斎藤の研究室では出雲人のDNA解析を進めていますが、意外な結果を得ています。ヤポネシア人自身が残してきた最古の記録である記紀神話と関連する可能性が予想されます。そこで、ヤポネシアを中心としたヒトゲノムの遺伝的多様性を調べている研究者と、ヤポネシア人のさまざまな側面(言語学、考古学、民俗学、人口学、古代史学など)の歴史を研究している専門家が一同に会して、これらDNA解析の結果をおおいに議論することにより、神話まで射程に含めた「DNA歴史学」の確立をめざします。
プログラム
12月20日(土)
13:00〜 研究集会の趣旨説明
13:05〜13:45 DNAデータから提唱するヤマト人の内なる二重構造モデル
斎藤 成也(遺伝研 集団遺伝研究部門 教授)
13:45〜14:25 日本列島および周辺地域のイネの開花時期の多様性
佐藤 洋一郎(京都産業大学 教授)
14:25〜14:40 休 憩
14:40〜15:20 古代DNA情報を如何に抽出するか
植田 信太郎(東京大学 理学系研究科 教授)
15:20〜16:00 歴史人口学からみた地域性:世帯構造を中心に
鬼頭 宏(上智大学経済学部 教授)
16:00〜16:15 休 憩
16:15〜16:55 講日本列島集団の形成史を考察する視点
篠田 謙一(国立科学博物館 人類研究部 部長)
16:55〜17:35 身体史観でたどる日本人の多様性と地域性
片山 一道(京都大学 理学部 名誉教授)
17:35〜18:00 総合討論1
19:00〜20:30 懇親会(三島市内)
12月21日(日)
10:00〜10:40 アトピー性皮膚炎感受性遺伝子であるフィラグリンの比較ゲノムと自然選択の可能性
井ノ上 逸朗(遺伝研 人類遺伝研究部門 教授)
10:40〜11:20 古日本語と古韓国語に関する考古学的解釈
宮本 一夫(九州大学 人文科学研究院 教授)
11:20〜12:00 一塩基多型(SNPs) からみる日本人集団構造
高橋 篤(国立循環器病研究センター研究所 室長)
12:00〜13:00 昼食休憩
13:00〜13:40 抜歯風習からみた人の移動
春成 秀爾(国立歴史民俗博物館 名誉教授)
13:40〜14:20 疾患感受性・薬剤応答性遺伝子の探索:日本人の研究からわかったこと
徳永 勝士(東京大学 医学系研究科 教授)
14:20〜14:35 休 憩
14:35〜15:15 琉球語の親族名称・呼称
木部 暢子(国立国語研究所 教授)
15:15〜15:55 ゲノムから琉球列島の先史と集団構造を考える
木村 亮介(琉球大学 医学部 准教授)
15:55〜16:30 総合討論2
本研究集会に関する連絡先:
国立遺伝学研究所 集団遺伝研究部門 斎藤成也
電話:055−981−6790
FAX:055−981−6789
Email: saitounr@nig.ac.jp
関連する研究会
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学融合共同研究 日本列島人の起源