尾本惠市先生米寿記念シンポジウム
と き:2019年11月16日(土)午後4時〜6時
ところ:東京大学理学部二号館講堂
内容案
16:00〜16:05 主催者あいさつ(河村正二)
16:05〜16:25 講演1 徳永勝士 大規模ゲノム解析によるゲノム医科学の進展
16:25〜16:45 講演2 太田博樹 『ヒトの発見』からの発見
16:45〜17:05 講演3 河村正二 人類以外を中心にやってきた感覚進化遺伝学とそこから観たヒト
17:05〜17:25 講演4 斎藤成也 ゲノムからさぐるヤポネシア人の起源と成立
17:25〜17:50 講演5 尾本惠市 日本の分子人類学の黎明期
17:50〜17:55 閉会のあいさつ(斎藤成也)
18:00〜20:00 夕食会(伊藤国際学術センターレストラン)
尾本 惠市 (おもと けいいち) 先生 ご略歴
1933年東京生まれ。東京大学文学部卒・理学部卒。東京大学理学系大学院修士課程修了後、ドイツへ留学。帰国後東京大学理学部人類学教室助手、講師、助教授を経て、1979年教授。理学博士。1999年東京大学を定年退官のあと、国際日本文化研究センター教授、桃山学院大学文学部教授、総合研究大学院大学上級研究員を歴任。日本学術会議会員も長くつとめた。国際人類民族科学連盟(International Union of Anthropological and Ethnological Sciences: IUAES) 名誉会員。日本に分子人類学を導入し多数の弟子をそだてた。単著に『ヒトの発見―分子で探るわれわれのルーツ―』(読売新聞社, 1987)、『分子人類学と日本人の起源』(裳華房, 1996)、『ヒトはいかにして生まれたか』(岩波書店, 1997)、『ヒトと文明』(ちくま新書, 2016)。編著に『日本の人類学』(山極寿一と共著、ちくま新書, 2017)、『海のアジア 全6巻』(岩波書店, 2000-2001)、『日本文化としての将棋』(三元社, 2002)、『人類の自己家畜化と現代』(人文書院, 2002)など多数。訳書に『ネオテニー–新しい人類進化論』(越智典子と共訳;どうぶつ社, 1990)など。
徳永 勝士(とくなが かつし)
1954年愛媛県生まれ。東京大学理学部生物学科人類学課程卒。尾本恵市教授および十字猛夫教授(東京大学医学部附属病院輸血部)の指導を受けて東京大学大学院理学系研究科人類学専攻修士課程および博士課程を修了。日本学術振興会特別研究員(PD)、東京大学理学部生物学科助手、日本赤十字社中央血液センター研究部課長を経て1995年より東京大学大学院医学系研究科国際保健学専攻人類遺伝学分野教授。2019年より国立国際医療研究センターゲノム医科学プロジェクト・戸山プロジェクト長、ナショナルセンターバイオバンクネットワーク・中央バイオバンク長、長崎大学・国立国際医療研究センター連携大学院教授を兼任。日本組織適合性学会理事長、日本人類遺伝学会理事。Human Genome Variation編集長。専門は、人類遺伝学、免疫遺伝学。編著書に、『人類遺伝学ノート』(南山堂, 2007)、『遺伝子解析研究の新時代』(医歯薬出版、2019)など。
河村 正二(かわむら しょうじ)
1962年長崎県生まれ。東京大学理学部生物学科人類学課程卒。尾本教授の指導を受けて東京大学大学院理学系研究科人類学専攻修士課程修了。植田信太郎助教授(現名誉教授)の指導を受けて、1991年同博士課程修了(理学博士)。日本学術振興会特別研究員(PD)(植田研)、Postdoctoral Fellow (Prof. Shozo Yokoyama Lab, Department of Biology, Syracuse University, USA) 、東京大学理学部生物学科助手、東京大学大学院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻助教授を経て、2010年より同教授(現職)。同専攻長(2017-2018)。一般社団法人日本進化学会会長(2018-2019)。日本学術振興会学術システム研究センター生物系科学専門研究員(2017-)。霊長類と魚類を対象とした感覚系遺伝子の進化生態遺伝学を主要研究テーマとする。共編著に”From Genes to Animal Behavior: Social Structures, Personalities, Communication by Color" (Springer, 2011)。ONLINE「Webナショジオ:研究室に行ってみた(色覚の進化)」、Newton別冊「感覚―驚異のしくみ:眼、耳、鼻、舌、皮膚など人体に備わる高性能センサー」 など研究紹介記事掲載、取材協力、テレビでの解説なども多数。
太田博樹(おおた・ひろき)略歴
1968年生まれ。1992年東京理科大学理工学部応用生物科学科卒。1997年東京大学大学院理学系研究科にて博士(理学)修得。1996年JSPS特別研究員(DC2)。1998年尾本教授の指導のもと国際日本文化研究センターにてCOE非常勤講師。1998年JSPS特別研究員(PD)。1999年よりマックスプランク進化人類学研究所にてJSPS海外特別研究員。2001年よりイエール大学医学部にて博士研究員。2005年より東京大学大学院新領域創成科学研究科にて助教。2010年より北里大学医学部准教授を経て、2019年より東京大学理学系研究科生物科学専攻教授。専門は人類集団遺伝学、分子人類進化学、ゲノム人類学。単著に『遺伝人類学入門- チンギス・ハンのDNAは何を語るか』(ちくま新書, 2018)。編著に『ヒトは病気とともに進化した』(長谷川眞理子と共編、勁草書房, 2013)。
斎藤 成也(さいとう なるや)
1957年福井県生まれ。東京大学理学部生物学科人類学課程卒。尾本教授の指導を受けて東京大学大学院理学系研究科人類学専攻修士課程修了。根井正利教授の指導を受けて、1986年米国テキサス大学ヒューストン校生物学医学大学院修了(Ph.D.)。日本学術振興会特別研究員(PD)、東京大学理学部生物学科助手、国立遺伝学研究所助教授を経て、2002年より国立遺伝学研究所教授(現職)。2005~2014年、日本学術会議会員。2019年10月より、クロスアポイントメント制度により琉球大学医学部先端医学センター特命教授。総合研究大学院大学生命科学研究科遺伝学専攻と東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻の教授を兼任。専門は人類学、ゲノム進化学、集団遺伝学。単著に『DNAから見た日本人』(ちくま新書, 2005)、『ゲノム進化学入門』(共立出版, 2007)、『自然淘汰論から中立進化論へ』(NTT出版, 2009)、『ダーウィン入門』(ちくま新書, 2011)、『日本列島人の歴史』(岩波ジュニア新書, 2015)、『歴誌主義宣言』(ウェッジ, 2016)、『核DNA解析でたどる日本人の源流』(河出書房新社, 2017)、"Introduction to Evolutionary Genomics" (Springer, 2018)など。
尾本惠市先生米寿記念シンポジウム実行委員
太田博樹 東京大学大学院理学系研究科・教授
河村正二 東京大学大学院新領域創成科学研究科・教授
斎藤成也 国立遺伝学研究所集団遺伝研究室・教授